こんにちは、ひでです
川崎のちょっと先の方に鶴見線というのがあります。工業地帯を走っている線で、観光できるような場所は皆無なんですが、この線に「国道」という駅があります。この駅、1930年開業らしいのですが、現在までほぼ当時の姿のまま使用されているそう。古い建物好きな僕としては訪れないわけにはいかないのです。
駅入口。駅名の由来はすぐ前を国道が通っているからという安直な理由。
外壁がすさまじい事になっています。穴がぼこぼこ空いてるのは戦時中に米軍の機銃掃射を受けた跡だそう。それが現代までそのまま残ってるってんですから凄いですね。
アーチ型の入口がおしゃれです。当時の流行のデザインでしょうね。洋服のデザインはリバイバルするのに建物のリバイバルがあまりないのは、機能的な面や効率が重視されるからでしょうか。
鉄骨の向こうに見える窓も年季が入っています。
外壁が崩れてきて下に落ちるのを防止するネットが張られています。経験上こういうのがある建物はもう長くないのですが…この駅は大丈夫でしょうか。
「貼紙禁ず」の看板。禁止ではなく「禁ず」という堅苦しい言い方が戦時中っぽさを感じさせていいですね。ピンクチラシなんか貼ろうものならとんでもない目にあわされそうです。
駅構内。中はだいぶ異世界が広がっています。昼間でもどんよりと薄暗く、人通りはほとんどありません。いるだけで押しつぶされそうなというか、陰鬱な空気が漂ってます。女子に全く喜ばれないやつですね。
駅構内で一軒だけ営業している焼き鳥屋「国道下」。駅もそうですがネーミングが直球すぎませんかね。日曜日なので閉まっていましたが営業日にはけっこう賑わっているらしいです。
かつては他にも色々店があったようですが、ことごとく閉店してベニヤ板が打ち付けられたりしています。
こちらは不動産屋の看板。字体がレトロすぎてやばいです。風呂なし4畳半アパートとかしか紹介してもらえなさそう。
こちらは何と住居のようです。駅から徒歩何分とかのレベルではなく駅そのものに住めてしまうというとんでもない話です。しかしこの環境、住み心地はどうなんですかねえ。日当たりゼロ、騒音マックスに間違いないので、ずっといたら気が狂っちゃいそうな気がしますが。
改札はこれまたレトロな木の枠組み。(訪問時の2012年にはありましたが現在はなくなっているようです)
ホームへの階段を上っていきます。
上から見下ろすとまた違った視点で異世界を堪能できます。
地上に出るとようやく普通の現代に戻ってきた感があり、思わず深呼吸してしまいます。ちょっとした冒険というか非日常が味わえるスポットです。