はい、ひでです
昔、といっても10年ほど前のことですが、ボロアパートに住んでいた時期がありました。駅から徒歩5分くらいのところで、職場にも2、3分で行けました。
目の前が小学校だったのですが、そこに植えられている桜が窓から見えました。なので、外に出なくても部屋で花見ができてしまうという素敵な場所でした。
一人暮らし用のアパートなので、6畳一間、狭いキッチン、それに浴室とトイレ。一応ユニットバスではなくちゃんと別々でした。ただ、お風呂はバランス釜だったので、横についてるハンドルをガチャガチャ回して点火するタイプのやつでした。
場所は埼玉ですが、家賃相場としては東京と変わらないような所なので、駅近で日当たり良好で、それでいて家賃が5万もいかないくらいだったので、掘り出し物といってもいいような物件だったと思います。近くにイトーヨーカドーがあり、買い物にも不自由しませんでした。
そして、この部屋を色々自分好みに変えていったのが、僕がDIYにはまるきっかけだったと思います。
一部屋しかないわりに物をいっぱい持っていたので、収納スペースをどう使うかにけっこう頭を悩ませました。そこで、100均で買ってきた木の板を麻紐で吊るし、壁際に棚を設置して服や雑貨などは基本そこに置き、ディスプレイ兼収納にしてました。
壁にすだれを掛けて、アクセサリー類や帽子、ストールなどはそこへ。それと下北沢の劇場でもらってきたフライヤーなんかも貼ったり。
好きな漫画、料理の本、小説やDVD、それに自分で撮った写真なんかもディスプレイして、お気に入りの物に囲まれて暮らすのが楽しみでした。アパートからマンション、一戸建てと移り住み、和室から洋室の家になった今でも、それは変わってないと思います。
トイレは元々和式だったところにフタをかぶせて無理やり洋式にしたやつでした。ここもすだれとフライヤーなんかをいっぱい。
このアパートがどのくらいの築年数だったのかは分かりませんが、ドアなどの建て付けもかなり悪くなっており、トイレに入って出ようとしても扉が開かず、閉じこめられて焦ることが何回もありました。
また、ある時は家に入ろうとしたら玄関のドアノブがボロっと取れてしまったことも。その他にも隣の部屋に住んでる婆さんのところに借金の取り立てが怒鳴り込んできたり、隣に立っているボロい平屋の住人が屋根の上に怪しいアンテナを自分で設置しだしたりと、ある意味住んでて退屈しない場所でした。
大学で上京してきて20年あまり、色々な物件に住みましたが、その中でも自分にとってこのアパートが一番思い入れのある部屋になっています。