はい、ひでです
銀座でコーヒーを飲む。そこにはちょっと特別な響きがあります。この場所で飲むからには普通のカフェには行きたくないですね。何せ銀座ですから。
色々リサーチしてみたんですが、「珈琲だけの店」というのがあるらしい。これは気になりますね。サンドイッチどころかトーストさえ出さない硬派っぷりというのはかなり自信がないとできないでしょう、普通に考えて。
8丁目の、人通りの少ない路地裏にその店はありました。
オレンジの看板には店名と、珈琲だけの店という文字が。間違いなくここです。
いざ入店。店内は狭め。カウンターが5席、テーブルが4席ほど。
何やら新聞記事の切り抜きが飾られています。ここの主人に関する記事なんでしょう、多分。
こだわりの豆を販売してます。
飴色の壁と70年代テイストの家具がマッチした内装です。
テーブルの真ん中には灰皿がデフォルトでセットされていますが、今は禁煙のようです。これも時代の流れ。タバコの匂いがコーヒーの香りの邪魔になるがどうかは意見が分かれるところですが、僕としては容認派です。竹内まりやの歌にもありますし。
メニューを見て悩んでいると店員さんが話しかけてくれました。苦味と酸味のバランスで勧めてもらったグァテマラをオーダー。
待つこと5分、ついにその時は来ました。ご主人が丁寧にハンドドリップで淹れた至極の一杯、まずはブラックで。一口含んだとたん、鼻腔へと上がってくる豊潤な香り。雑味を一切感じさせない磨き抜かれたそのアロマ。天国への誘いです。
頭の中を銀座の歴史が駆け巡ります。
いやーすごい体験でした。太宰治や谷崎潤一郎など数多くの文豪が愛した街、銀座。その歴史の一部に自分が含まれたわけですね。このまま原稿用紙に向かったら小説の一本でも書けてしまう気がします。
(2021.3月訪問)